獣の奏者エリン

第26話 リランの心

エリン、授業中の小試験で悪い点数を取る。これが夏ノ試シだったら落第していた。
落第した学童はカザルムを去らなければならない。両親が裕福であるならば特別に1年分の費用を出すことで残ることも出来る。
リラン、エリンがいなくなると不安がってあちこち探し回る。
王獣舎で本を読んで勉強するエリン。
秋に良く出るリラン雲じゃなくて羊雲。
ユーヤンが失恋?カシュガンが街に出たときに山吹色のきれいな髪留めを迷った挙句に買ったのが彼女への贈り物だと思っている。
ユーヤンが泣いているせいで部屋でも集中できないエリン。食堂を使わせてもらう。
トムラ先輩、エリンから失恋と言う言葉が出たのが気になって、卒舎ノ試シがあるにも関わらずエリンの勉強を見るという。
トムラ先輩、暗記帳を落とす。実はなかなか覚えられなくてうろうろ歩きながら暗記していた。
お互い医術師目指して頑張ろうというトムラ先輩。
ウラリが要点をまとめたノートをエリンに渡す。みんながノートを見たいと(^^;;6人も草むらに隠れていた(^^;;
試験当日になった。

得意な教科も苦手な教科も、みんな一生懸命取り組みました。
試験を終えた学童達は長い夏休みに入ります。

トムラ先輩、首席で卒舎ノ試シを通ったのに、もう一年カザルムに残って勉強することに。
中等2段は全員合格だった。これで高等1段に進級できる。
ユーヤン、エリンを家に誘うけど、エリンはカザルムに残ることに。
カシュガン、髪飾りは嫁に行っている姉へのお土産だった。ユーヤン一安心。
ユーヤンと別れた後も王獣舎に行くエリン。
リラン、竪琴を使っていないのに、エリンの言葉が解っているような素振りをする。
竪琴の音と動作を組み合わせればリランはもっと多くのことを理解できるかもしれない。
エリンの背後にリランが。音無し笛が頭をよぎるエリン。
リラン、エリンを舐める。

人に慣れることのない王獣…。
しかし、リランは、エリンに母親の匂いを感じたのでした。
そしてエリンも、そのことが嬉しくてたまりませんでした。

エリン、エサルに相談。
王獣が言葉を理解することが信じられないエサル。
このままではリランは人と暮らすことができても野生の王獣同士で暮らしていくことができないのではと思ったエリン。
リランは真王陛下に捧げられた獣なので、野生に帰ることは絶対にない。
エリン、ショック。

空に湧き上がる夏の雲…。
リランはこの雲を、カザルムの中でしか見ることができないのです。
エリンはそのことが、悲しくて仕方ありませんでした。
そしてその気持ちを、リランに伝えられないもどかしさを、強く感じるのでした。