獣の奏者エリン

第47話 清らかな夜

今夜はみそぎ。
エリン、ヌックとモックに、監視の目を盗んで外に出してもらえるよう頼む。
リランと一緒に外に出るエリン。
ダミヤ、セィミヤに風車をプレゼント。
どんなことにも惑わされてはいけないとセィミヤに吹き込むダミヤ。
エリンとリランの前に、エリンを迎えに来たと言うナソンが。
一緒に行く気になれないというエリン。
エリンをずっと見守ってきたと言うナソン。
エリン「見ていただけ。あなた方は、戒律を守るため、全ては災いを招かぬためと言って、人を見殺しにし、獣達を縛っている。それが本当に正しいことなのですか?変わるべきは獣ではなく、人の方ではないのですか?」
ナソン「人は罪を繰り返すおろかな生き物だ。だからこそ、掟という鎖で縛るしかないのだ。」
エリン「あなた方は初めからあきらめてしまっている。だから大罪という言葉で、人の心を縛るのですね。私は例えこの身が破滅しても、リランを人の掟で縛ることはしたくないのです!」
リランに乗ってナソンの前から飛び立つエリン。
みそぎのために泉の中に入るセィミヤ。
セィミヤの泉のところに降り立つリランとエリン。ナミ、鳥が飛び立ったのは気づいたが王獣が降り立ったことまでは気づかなかった。
セィミヤ、エリンのことは聞いていた。
エリン、ハルミヤと交わした話のことをセィミヤに話す。

エリンは、かつて栄華を極めた、オファロン王国の最期を語りました。

セィミヤ、祖先が神ではなく人で、大罪を犯した罪人だということが信じられない。
セィミヤ、エリンの竪琴にイアルと彫ってあるのをみて、イアルがエリンにこの場に来るように言い、イアルがシュナンと通じているのではと勘ぐる。
雪が深々と降っている。
人が生み出していく掟という折の中で生きる獣達の姿を見るのがたまらなくいやだというエリン。
セィミヤ、自分がラザルの王獣と同じで、生まれながらに守られ、いずれ真王としてあることを求められ、それを疑うこともなかった。
エリン、セィミヤに、ダミヤにエサルを人質に取られているからここにいると告げる。
動揺するセィミヤ。
セィミヤ、エリンに、タハイ・アゼでセィミヤの脇に立って、何もせずにただ見ているように言う。

真王と大公の互いの力が向き合うタハイ・アゼ。
その運命の日は、刻々と近づいていました。