獣の奏者エリン

第7話 母の指笛

アケ村では、大変なことが起きていました。大公から賜った大切な闘蛇、キバが全部死んでしまったのです。その責任を問われたソヨンは、監察官達に連れて行かれてしまったのです。

オープニングテーマがない?
シュナンとヌガンで剣の稽古。力で押すヌガンだが、かわされてしまってシュナンの勝ち。
またダミヤが大公のところに。
見事な技を持つシュナンと、強力を誇るヌガン。
ダミヤ、キバが死んだことを早くも知っていた。
ダミヤ「知るべきことは早い方がいい。私は真王陛下をお守りするため、わが耳と目を以って世の移ろいを知る。それが王祖ジェの血を引く者に与えられた役目。それをいかに扱うかもね。」
ヌガンはダミヤをまぶしい位によいお方と思っているが、シュナンは「でも、光が強ければ、影も濃くなる。」と怪しんでいる様子。
サジュの家ですごいごちそうをたくさん出されるエリン。食欲がなさそうだけど、涙を浮かべながら食べるエリン。
監察官に責められるハッソンとソヨン。
闘蛇の世話をする者は医術の腕に優れていればいいだけでなく、何よりも大切なのは大公様への揺るぎ無い忠誠心を持っていなければならない。
霧の民とはわが子でさえ掟に逆らえば殺すと聞いている監察官。
キバの死因は中毒死だと言うソヨン。
監察官にムチで叩かれ続けるソヨン。
ソヨンをムチからかばうハッソン。<先週あんなに厳しい言い方してたけど意外と息子の嫁思い。
ソヨン「キバに与える特滋水はかなり強い成分です。しかし闘蛇の体を覆っている粘液と特滋水が混ざりながら体内に取り込まれれば、闘蛇の健康を損ねることなく、よい成分だけを与えることができます。夜半の見回りの時には異常はありませんでしたが、朝、闘蛇の死骸を検分した時、体を覆う粘液が、所々薄くなっておりました。」
監察官「なぜ数時間でそのような変化が起きた?」
ソヨン「分かりません。」
闘蛇の裁きにかけられることになったソヨン。あっと息を呑むハッソン、ワダン、そのほかの村人。
サジュの家の寝床で、みがき玉作りのことを思い出すエリン。
腕輪を家に忘れてきたことを思い出すエリン。
ソヨンがラゴウの沼に連れて行かれ、夜明けに闘蛇の裁きにかけられるというサジュの両親の話を聞いてしまうエリン。
闘蛇の裁き=野生の闘蛇に食い殺される死刑
ショックでその場で崩れ落ちるエリン。サジュの両親が気が付いてエリンのところへ。エリン、走ってどこかへ。
ハッソン「わしをうらんでおるだろうな、ソヨン。」
ソヨン「いいえ。」
ハッソン「わしがお前とアッソンの結婚を許さなければ、お前は霧の民でいられたのだ。」
ソヨン「アオーロウとしてさすらっていた私に、愛を育む道を教え、ともに歩んでくれたのは、あの人です。後悔はしていません。お父様を恨むこともありません。」
ハッソン「ソヨン…。」
ソヨン「あの子のことを、よろしくお願いいたします。」
ハッソン「わかった。」
エリン、自宅へ。
サジュの両親が探しに来た。
サジュの両親に見つかったらきっと母親に会えないと思い、腕輪と短刀を手にして裏口から逃げるエリン。
警備がたくさんいて門から出られないので、以前ソヨンと霧の民の市に出かけた時に通った滝の裏を通る道から村の外へ出るエリン。

崖を下りながら、エリンは思うのでした。お母さんを助けたら、一緒に村を出て、二人で旅をしながら暮らせばいい。お母さんが、昔、そうやって暮らしていたようにと。

エリンを引き止めたことを後悔しているワダン。<こいつも案外いいやつだったか。
疲れて涙を流して行き倒れてしまうエリン。
ドラの音でたたき起こされて気の荒くなった野生の闘蛇が集まってきた。
震えてるソヨン。
ワダン「気の毒だが…。」
ソヨン「村の闘蛇のことを、よろしく頼みます。」
ワダン「わかった。」
縄でしっかり足と体を縛られるソヨン。
ドラの音に、走ってラゴウの村に向かうエリン。
ヌックとモックまだいたか。
ヌックとモックがエリンを発見。
刀を抜く処刑人。
ソヨンと断崖を隔てた向こう側に霧の民の市にいた男の人が。ソヨン「ナソン…。」
処刑人に刀で背中を押されるソヨン。
ソヨン、崖下へ。
うじゃうじゃ集まってくる野性の闘蛇。
エリンの声を聴くソヨン。
エリン、ソヨンのところに泳いでいく。
野生の闘蛇に囲まれているエリンとソヨン。
おろおろするヌックとモック。
その場に座り込むナソン。
短刀でソヨンの縄を切ろうとするエリン。
ソヨン(私は、もう…。でも、あなただけは…。)
縄を切ったソヨン。
ソヨン「エリン、しっかり捕まりなさい。お母さんがこれからすることは、決して真似してはだめ。」「お母さんは、してはならない大罪を犯すから。」
ナソン「まさか!?」
指笛を鳴らすソヨン。
闘蛇が動かなくなった。
ナソン「ソヨン…、お前は…。」
野生の闘蛇は音無し笛で止めることも出来ない。
エリンに、寄ってきた闘蛇の角をつかむように言うソヨン。
ソヨン「角を絶対離してはダメよ。」と、エリンを闘蛇の背中に乗せるソヨン。
「お母さんも早く!」というエリンに対して、ソヨン「生き延びて、幸せになりなさい。」
ソヨン「前を向いて、振り返ってはダメ!」「私の…、エリン…。」
みんなの前で闘蛇に食べられるソヨン。の後ろでオープニングテーマが。
何度も何度も「お母さ〜ん」と叫ぶエリン。
「ラコスの葉は冬でもどこの山でも残っているから山々を旅してた頃はよくこうしてお料理に使ったの。」というソヨンの回想が。
崩れ落ちて泣くワダンとじっと立ち尽くすハッソン。

「お母さん、お母さん。」遠のく意識の中、エリンはソヨンを呼び続けました。その声にもうソヨンは答えることはありません。澄んだ朝の光を受けて輝く腕輪を提げ、エリンは一人はるか遠く、知らない世界へと、闘蛇に運ばれていくのでした。

結局ヌックとモックは目の前で死刑を見せられてしまうという損な役回りかよ(^^;トラウマにならないといいんだモン!