読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

こんにちは アン 〜Before Green Gables

#39『プリンス・エドワード島へ』

エッグマン、孤児院でチェロコンサート。

アンを訪ねてきたジョンソン夫妻は、丸2日を孤児院で過ごしました。
そして再び、2人がアンと別れて、旅立つ時がやってきました。

ジョアンナからの小包は黒い帽子だった。
アン「この上もない贈り物のおかげで私、今もずっと神様に抱きしめられているような気持ちなの。」
エッグマン夫妻、アンに、生まれてくる赤ちゃんの名前をつけてもらいたく、どんなに遠くても会いに行こうと決めた。
アン、生まれてくる赤ちゃんは、女の子だったらジェラルディ、男の子だったらフレデリックと名づける。
以前エッグマン夫妻とお別れしたときは雪が降っていたが、この日は花吹雪。
エッグマン「アン。君はあの時から、ずっと険しい道を歩いてきたのだね。」ヘンダーソン先生「でも忘れないで。あなたは、みんなの人生に微笑を与えたのよ。」
魔法のどんぐりの話に。
魔法のどんぐりを持っていると必ず幸せになれるとアンが祈ってくれたから、ミルドレッドは落ち込みそうな時もいつも前を向いていられた。
ミルドレッド、ピアノの先生になろうとしている。教え子に、魔法のどんぐりを付けたネックレスをかけている。
「彼女が心を込めてたどる道には、花々が咲き乱れる。辛く困難な人生も、彼女と共に歩めば、美しい道のりとなるだろう。」というホイッティアの詩の一節とともにアンに花束を渡すエッグマン
エッグマン「アン。君は出会う人々の心に、アン・シャーリーという名の幸せの種をまいているのだ。その種はやがて芽を出し、花開いて、その人の人生を喜びで満たすんだ。」アン「出会ったみんなが、幸せの種を分けてくれたんですもの。悲しいこともあったけど、今はそう思うの。」
エッグマン「うん。今もこれからも、私は君と想像力の味方だ、アン・シャーリー。eの付くアン。さよならは言わない。アンという名の花は、これからもずっと、私たちの心に咲き続けるのだからね。」
孤児院を馬車で去るエッグマン夫妻。お互いに手を振るヘンダーソン先生とアン。
ヘンダーソン先生「アンが孤児院にいると知ったときは、今度こそ私達が引き取ることになると思ったわ。けれど、プリンス・エドワード島へ。あの子は、私達の思いを超えた、天の運命に導かれているのね。」エッグマン「天が与えた出会いは、人生を変えていく。アンに出会わなければ、私は伴侶を持ち、教師になる人生など、考えてみることすらなかっただろう。そして、今また、思いもかけなかった人生を歩んでいこうとしているんだ。子供の父親になる人生を。」ヘンダーソン先生「私達、これからも生きていきましょ。アンのように、喜びを咲かせながら。」

そして、とうとうアンが旅立つ日がやってきます。
プリンス・エドワード島に住むスペンサー夫人が、アンとリリーを迎えにやってきたのです。

アンとリリーが出て行くことで食い扶持が減って孤児院がほんの少し楽になると喜ぶミス・ケールとジョセフ・ケンジントン。でも、アンがまた騒動をしでかして追い返されたらと考え始める二人。
翌日。
カーライル院長からかばんを受け取るアン。
カーライル院長「思ったよりもずっと早く、このかばんをあなたに返す日が来ました。」アン「私、このかばんを取り上げられた日、院長先生は氷の国の女王のように冷たい先生だって思い込んでしまいました。でも、本当は…。」カーライル院長「訂正する必要はありません。憎まれるのが私の仕事なのです。家族のいない子供達は、ここを出た時、たった一人で生きていかなくてはならない。責任と誇りを持って、堂々と歩いていけるように、しつけなければなりません。」アン「責任と、誇りを…。」カーライル院長「あなたはまだまだ失敗しそうですね。たくさん失敗なさい。そして、たくさん学びなさい、これからも。さあ、お行きなさい、アン・シャーリー。」
サイラスの馬車に先に乗っているスペンサー夫人とリリー。
リリーとアンの見送りにミス・ケリーとジョセフ・ケンジントン、テッサ、デラ、その他何人かが。エドナのグループはいない。
今日は絶対に泣かないというテッサ。
アン、宝物のリボンをデラとエドナにあげるという。リボンを結んであげるアン。
カーライル院長が出てきて、リボンを結んでいる様子を見る。
テッサを抱きしめるアン。お互いに涙を流す。
馬車に乗り込むアン。発車する馬車。
アン「院長先生、ケール先生、ありがとうございました。さようなら、テッサ。さようなら、みんな!」テッサ「あたし、あたし、絶対。幸せになるよ。アンみたいに!」<ジョセフ・ケンジントンには恩はないらしい(^^;
ミス・ケール「まるで、つむじ風のような子でしたね。」カーライル院長「ええ。」
窓からのぞいているキャシー、ニーナ、エレン。キャシー「あーあ、アン・シャーリー、とうとう行っちゃった。」ニーナ「もっといじめたかったのにさ。」エレン「つまんない。」
アンがエッグマンからもらった花束がキャシー達のそばで座っているエドナの手元に。エドナ「さよなら、お人よし。」

汽車はついに、孤児院があるホープタウンを出て、走り出しました。

アンは、ジョンソン夫妻が届けてくれた、2通の手紙を取り出しました。
何度となく読み返した手紙を。

エリーザからの手紙。
『アン。あなたは今どこでこの手紙を読んでくれているのでしょう。たくさん出した手紙は、どれも届いていないようなので、この手紙こそ、あなたに届きますようにとお祈りしながら書いています。私はロンドンのそばで、穏やかな毎日を過ごしています。ここに住むようになってから何年も経ちました。結婚してトーマス家を出る時、叶わぬ約束をしてあなたを深く傷つけてしまった。私は悲しいくらい幼く、愚かでした。それでも、小さなあなたと一緒に過ごした日々が、かけがえの無い思い出として今も蘇ってくるのです。私に女の子が生まれた時、一番大切だった人の名前を付けたいと思い、アン、あなたの名前の他に考えられませんでした。今、私のアンは、まるであの頃のあなたのような笑顔にあふれています。アン、いつまでもあなたが大好きです。』
若干歳をとったエリーザ。ロジャーのちょび髭にびっくり。女の子が生まれた時には生えてなかったのに。
アン「私もよ、エリーザ。大好き。」
ジョアンナからの手紙。
『アン。私が手紙を書くなんて、きっと驚くでしょうね。私も、うまく書けるかどうか自信がないわ。この間のこと、古い持ち物を片付けていた時、バートの写真を見つけたの。それは、ボーリングブロークの駅で働いていた頃の写真よ。』
ちょっと話し方が大人びたエドワード。ちゃんと話をするようになったハリーとノア。
ノア、アンからもらったクマのぬいぐるみを持っている。
まだ家族5人で同じ場所に暮らしているようだ。
棚の上に飾られるバートの写真。
エドワード「なんだか思い出すな。父ちゃんがいて、アンがいた頃のこと。」ホーレス「クリスマス、楽しかったな。」ハリー「最高だった。」ノア「僕は今でもお父さんと、アンと一緒だよ。クマちゃんがいるから。」ホーレス「俺もだ」(かぶっているバートの形見の帽子に手をやる。)「というか、父ちゃんが今でも、ずっと俺たちのすぐそばにいてくれるような気がする。」ノア「する。」ハリー「するする。」エドワード「え?そう?」ジョアンナ「そうね。あの頃よりも、今の方が、バートはみんなの胸の中の、深いところにいるような気がするよ。」ホーレス「父ちゃんはきっと、アンのことも見てる。」ハリー「うん。」エドワード「どうしてるかな、アン。」ハリー「お母さん、その帽子、アンに渡したかったんでしょう?」ジョアンナ「あ、ああ。」バート「ジョアンナ、そんなに気になっているなら、手紙を書け。」ジョアンナ「い、今、声がしなかった?」ホーレス・エドワード・ハリー「え?」ノア「したよ。お父さんの声だ。」
『そんな訳で、この手紙を書いているの。あんたにまだ話してなかった、小さな黄色い家のことを書こうと思うの。あんたが生まれた小さな黄色い家に通ってた頃、あたしはとても幸せだった。本が大好きな優しいバーサと、背中に翼が生えたように楽しいウォルター。親切で気持ちのいい二人が、あたしは大好きだった。バーサは身体が弱いのに、いつもわざわざ、あたしの大好きなケーキを焼いてご馳走してくれた。小さな黄色い家は、あったかい笑い声で一杯だった。そう、あんたが生まれた時、二人がどんなに喜んだか。』
バーサ「この子はきっと、ウォルターのように、夢見る翼を持った女の子になるわ。」ウォルター「僕にはわかる。アンはきっと、幸せになる力を持った子なんだ。」
手紙を読みながら涙を流すアン。
『二人が亡くなった後、あんたを育てながら、あたしは何度思ったことか。あんたはバーサとウォルターのいいところを、全部持った子だった。それなのに、毎日が苦しくて、気持ちがすさみきってしまったあたしは、いつの間にか、あんたに優しくするのを忘れてしまった。バーサとウォルターがくれたまごころを、あんたに返してやることを忘れてしまった。月日が経って、辛かったことが何もかも通り過ぎた今、気づいたんだよ。あんたを育てたあたしは、幸せ者だった。その幸せは、きっと、バーサとウォルターが届けてくれたものなんだ。だからあんたは、バーサとウォルターが信じていたように、幸せにならなくちゃいけないんだよ。あんたに何一つしてやれなかったあたしは、その分毎日祈ってる。ホーレスも、エドワードも、ハリーもノアも。いつも、あんたの幸せを祈ってる。バートと一緒に。』
薪割りをするホーレス。薪を持つエドワード。箱に座ってそれを見るハリーとノア。窓越しにホーレスを見守るジョアンナ。
バートがガラスを割った戸棚のところで寝ているロキンバー。同じ戸棚に飾られる黒い帽子とバートの写真。
アン「ありがとう、ジョアンナおばさん、バートおじさん、トーマス家のみんな。どうか、いつまでも幸せに。」
港に着いた。
船のタラップで立ち止まるアン。

アンは、生まれたから11年を過ごした、ノバスコシアを離れようとしていました。
それは、ノバスコシアで見る最後の景色でした。

トーマス家がかつて暮らしていた家は荒れ、誰も住んでいない。
エッグマンがかつて住んでいた家。エッグマンの恋人だった女性の絵は置き去りになっている。
ヘンダーソン先生がアンに教えていた学校。本棚には本がたくさん積まれている。
ケンドリック・ハモンドが働いていた水車のある工場。
エッグマン(怒られても、それをやめてはいけない。それは想像力というものだ。君の想像力は、必ず君の力になるだろう。)
ヘンダーソン先生(希望を持つ限り、人はその希望に近づいていくの。)
バーサ(この子はきっと、ウォルターのように、夢見る翼を持った女の子になるわ。)
ウォルター(僕にはわかる。アンはきっと、幸せになる力を持った子なんだ。人生にはたくさんの曲がり角がある。次の曲がり角を曲がったら、全く別の人生が開けているんだ。新しい世界が。)
アン「私、今、曲がり角を曲がろうとしているのね。新しい世界に行くのは、胸が壊れそうなほどドキドキするわ。けれど、ちょっぴり怖いの。」
アン、風に乗ってきた声を耳にする。少女が小鳥を追って木に登っているところだった。

それはまるで、かつてのアンのようでした。

アン「さようなら、小さかった頃の私。私、プリンス・エドワード島できっと幸せになるわ。」
タラップを駆け上がるアン。
船が出発。
アン、汽車の中で、スペンサー夫人から、カスバートさんの家から海は見えないが、緑色の屋根の美しい家がグリーン・ゲイブルズと呼ばれていることを聞いていた。
アン、グリーン・ゲイブルズがステキな響きだと思った。
アン「春は花々が、夏は風が、緑の屋根を彩るの。少し古くなった扉を開けると、優しい顔が微笑んで、おかえりって私を迎えてくれるのよ。グリーン・ゲイブルズでは、水よりも美しい奇跡が起こるの。そうよ、それから、きっと、きっと…。」

アンは、これから始まる毎日を想像しました。
家族として、友として、迎えてくれる人々の顔を、時を忘れて思い浮かべるのでした。
幸せの翼に守られた日々が、今、始まろうとしていました。