獣の奏者エリン

第35話 あたらしい命

OPテーマがなく、王獣の子供の捕獲シーンから。親が帰ってきて、音なし笛を使う捕獲者。林に突っ込む親。

季節は巡り、穏やかな春の日差しが差す、ある日の午後。
一台の荷車がカザルムにやって来ました。

怪我した野生の王獣の親が縛られて運ばれてきた。
モック「もももも〜ん!」<どういう叫び声だよw
道に落ちた王獣の羽根をエリンに渡すのはどちらかで取り合うヌックとモック。
ユーヤン「せやけど、なんで怪我したんやろ?」カシュガン「幼獣を捕まえようとしていた時、巣に親が戻ってきてしまったんだ。とっさに音なし笛を吹いたら、硬直した王獣は、崖に激突して怪我したんだって。怪我した王獣を放ってはおけないから、捕らえた幼獣はラザル王獣保護場へ、怪我した王獣はここ(カザルム王獣保護場)へ運ばれたってわけ。」
オスの成獣で、エクと呼ぶことにした。古い言葉で、オスという意味。
エリン、エサル先生に呼ばれた。
王都の方々は王獣の厄介ごとは全部カザルムに押し付ければいいと思っているようだという教導師のヤッサ。ラザルからの報告書を見る限りではエクの状態は思わしくないという教導師のロサ。
エリンにエクの状態を説明するエサル先生。音なし笛を吹いて治療しても、硬直が解けるたびにひどく暴れてすぐまた傷が開いてしまう。
エサル「エクは、音なし笛を吹かれた直後に大怪我をしている。笛の記憶と、怪我の記憶が結びついて、過剰に反応してしまっているのでしょうね。だから、あなたにお願いしたいの。竪琴でエクを静められないかしら。」エリン「リランの時と違って、エクはすでに大人になっています。」エサル「同じようにはいかないかもしれないけれど、試してみる価値はあるでしょう?」エリン「分かりました。やってみます。」
エクが暴れて獣舎が崩れそう。何も出来ないそばにいる教導師3人w
一晩時間をもらうエリン。エクのそばで夜を過ごすことに。
リランがヌックとモックのところへ。二人が落としたエクの羽根のにおいを嗅いで口でくわえるリラン。
夜、エクが落ち着いたところで竪琴を鳴らすエリン。竪琴に反応して鳴き声で返すエク。
エサル「エクをあなたにまかせて本当に良かった。野性の王獣も全てあの竪琴の音色で通じ合うことができるのかしら?」エリン「たぶん…。」
エリン、ナソンに、大罪と雪にかかれたことを思い出す。
エリン「エサル先生。聞いていただきたい話があります。」

エリンは、霧の民の男、ナソンから聞かされた物語をエサルに話しました。
王祖ジェと王獣にまつわる古い物語。
戦いと、絶望と、破滅の歴史を…。

エサル「そう…。そういうことだったの。この国の成り立ちと王獣の由来に、そんな歴史が…。」
エサル先生も昔、霧の民の男の人にあったことがあるらしい。その時も災いのことについて言われていた。
エサル先生、霧の大長老に会っていた。
霧の大長老「野生の王獣を探すのはやめるのじゃ。」「人の手に落ちた王獣はその瞬間から掟の中に入る。あなたのような聡明で研究熱心でしかも真王の王獣を育てる立場の人間は、野にある王獣を見れば、恐ろしい災いの火種を生むことになる。」「悔やんでも悔やみきれないような恐ろしい災いを引き起こす火種になるのだ。お前はそうなりたいのか?」
エサル「やっと理解できたわ。霧の民は、過ちを二度と起こさせないよう、王獣と闘蛇を操る技を禁じたのね。」
エリン「霧の民は、王獣と意思を通じ合うことも、王獣を空に飛ばすことも、全てやめろと言いました。でも、私には、どうしてもそれが正しいとは思えないのです。彼らが気にしていることは解ります。でも、災いのきっかけになるかもしれないから、人間の掟に縛っておけばいいというのは、私はおかしい気がするのです。そんなことが起きないように努力すべきは、人間の方だと思えるのです。」
トムラ先輩に、野生の王獣であるエクを静めたことを感心されるエリン。リランが他の王獣に近づきすぎたときあいさつのような音を立てると聞いて、互いに声で意思を通じ合わせているということは王獣が群れで暮らすという話が案外本当のことなのかもしれないと思うトムラ先輩。

エクは、竪琴の音に答えて以来、むやみに暴れる事も無くなり、エリンの与える餌を良く食べ、日ごとに元気を取り戻していきました。
怪我の治療は、餌に仕込んだ眠り薬で、眠らせている間に行ったため、音なし笛を使わずに済みました。

エク、明日には放牧場に出せそう。飛ぶ力さえ取り戻せば野性に帰れる。
エクは偶然捕らえられただけで真王陛下にささげられた王獣ではないので、ラザルに帰さない。
久しぶりにリランをきれいにしてあげるエリン。リラン、エクのにおいが気になるようで、エクの羽根をくわえる。
リランの首の辺りの毛の色が変わっていることに気づくエリン。
どの文献にも出ていない。エサル先生、王獣の世話をして長いけど、毛の色が変わったのを見たことが無い。
獣舎の外でリランと会うエク。
仲むつまじくしているエクとリラン。
聞いたことの無い鳴き声をあげ始めるリラン。リランの毛の色がピンクに。
二匹で空を飛び始める。
OPテーマが。
トムラ先輩「いったいあれは…何をしてるんだ?」キリク「まさか…交合?!」エサル先生「間違いない。リランとエクは、新しい命を宿そうとしている。」

それは、あまりにも美しく、神々しくさえある瞬間でした。
悩み、迷う人間たちの想いなど、軽々と飛び越えて、リランとエクは、自然のままに、新たな命を生み出そうとしているのです。
掟になど縛られない野生の力。
その力強さと美しさを前にして、エリンは、ただ見守っていることしかできませんでした。


これ書いてから、獣の奏者エリンの感想を書いているはてな内のページを回ってみたんだけど、
id:topimasudono:20090912#1252750113さんの、

いきなり空中アクロバティックセクロスをエリン達に披露
犬の突然の交尾なんかは止められるが
獰猛な動物に空中で交尾されたら
ただただ呆然と立ち尽くすしかないな

に、吹いたw