獣の奏者エリン

第15話 ふたりの過去

OPがなくていきなり本編から。本編中にスタッフロールが。

ハチ飼いのジョウンと一緒に生活することになったエリンは、毎年、夏の山を訪れていました。
そして必ず、王獣の姿を探しに来ていたのです。

ヌックとモック、まだ夏の小屋にいた。というか、老けないヌックとモック。
トッチが生んだ子馬が立ち上がった。
もう4年。
自分で種付け料を稼ぐまでになったエリン。
ジョウンの趣味だった竪琴作りも、演奏も、エリンに抜かれてしまった。歌を作るのだけはジョウンの方が上。
小屋に、馬に乗った青年(アサン)が。ジョウンの息子だった。
アサンとジョウンとエリンで机を囲んで気まずい雰囲気。
アサンの口から、ジョウンが王都最高の高等学舎の教導師長であったことが明かされる。
ジョウンの名誉が回復されるのをアサンとジョウンの妻は待っている。
高級官僚のタカランは真王への謀反の罪で失脚したためもう決して高等学舎に関与することはない。
返事を渋るジョウンに、10日後にまた来ると言い残すアサン。
考え事をしていてエリンが部屋から出て行ったことに気づかなかったジョウン。
アサンは王都の高等学舎でしか暮らした事がない。まっすぐな心根の男だが、名誉や身分の上下に過剰にこだわるところがある。
エリンに全てを話す気になったジョウン。
トーサナ・ジョウンがジョウンの本当の名前。王都の中でも裕福なものしか入れないタムユアン学舎で教導師として過ごしてきた。親の後を継いで教導師になったが教えることも好きだったので天職だと思っていた。40歳の時に教導師長になった。
卒業試験を受けないニイカナ。試験に通ると上の学舎に進むことになり学費が掛かる。ニイカナの家柄ではこれ以上上は望めない。そう言うニイカナに、教導師長の権限として首席になったら学費を免除を考えると約束する。
サマンというとくに優秀ではない生徒。父親のタカランが試験監督達に不正を持ちかけて当日出される試験の問題を手に入れていたため、サマンは首席になっていた。
高等学舎を卒業する少年達は、最終試験の成績によって望む職業に就けるかどうかが決まる。
サマンは父親の後を継いで高級官僚になるつもりでいた。
試験問題を直前になってすりかえたジョウン。
ニイカナが首席に。サマンの成績は高級官僚の基準には遠く及ばなかった。
ニイカナがサマンにいい点を取らないように脅迫したと父親のタカランがサマンと一緒にジョウンのところを訪れる。サマンに本当かどうか聞くジョウンに答えようとしないサマン。
タカランが裏で手を回していたことはトサリエル公の耳にも入っているとタカランに告げるジョウン。
ジョウン「サマン。君にとっての試験とはなんなのだ?自分の力を試し、乗り越えるための壁ではないのか?皆、その壁を乗り越えるために努力をしている。そこで現れた成績で、将来が決まることもあるだろう。だが、その努力をしない者は壁にすら辿り着けない。」
サマンに3日後の再試験を許可するジョウン。
採点をしなおすようジョウンを脅迫するタカラン。
ジョウン「私は教導師長として、タムユアンでの不正は絶対に許さない!」
その夜、サマンは自殺を図った。
信じてもらえなかったから息子は自殺を図ったのだとタカランに非難されるジョウン。他の官僚を巻き込んでジョウンを訴える。学者を所有していたトサリエル公は圧力に負けてジョウンを辞めさせた。崇高なる最高学舎タムユアンといえども高級官僚の力が及ぶ政治の舞台だった。
ジョウン「全てを忘れ、ただの平民として、ただのハチ飼いとして一生を終えようと、ここまでやってきたのだ。だが、お前と出会い、お前が泣き、笑い、そして好奇心あふれる目でいろいろなものを問いかけてくる時、俺の中の情熱がよみがえってくるのを抑えることが出来なかった。いろんなことを知ろうとしているお前を見ると、よけいにな。このままお前とここで暮らしたい…。」<プロポーズか?w
ジョウン「だが、正直、迷っている。王都で私の養女として暮らすのはイヤか?」
エリン「少しだけ、時間をいただけますか?」
ジョウン「あわてなくていい。ゆっくり考えろ。」
トッチを拭きながらいろいろ考えるエリン。母親のソヨンが、本当に闘蛇のお医者さんになりたいのならちゃんと教えてあげる、と言っていたのを思い出す。
実はヌックとモックもハチ飼いの手伝いをしていた(^^;
毎日崖に決まった時間に行くエリン。なかなか王獣は姿を現してくれない。
ジョウンの古い学友に、王獣に取り付かれて教導師にまでなった女が一人いた。エサルといって、今でもカザルム王獣保護場で王獣を見る医術師をしている。
カザルムは王獣が死ぬまで世話をするための施設。カザルムは数ある保護場の中でも、役目を終えた王獣が行き着くところ。そこの医術師は報われることが少ない苦しい職業。わずかでも王獣に異変が起これば獣の医術師が罪を問われる。
母親のことを話し始めるエリン。
母のような獣の医術師になりたいとずっと思っていたことをジョウンに話すエリン。
ジョウン、エリンを王都の学舎に連れて行くことが本当にいいことなのか悩んでいた。王都の学舎に入る女の子は皆、貴族や高級職能者の妻になるための教養や作法といったものを身に付けさせられる。
このまま一緒に暮らしていくことができないのなら一人で生きていきたいとジョウンに告げるエリン。ジョウンの屋敷で養女として暮らしてお嫁に行くのはイヤだと言う。
エサルに頼むことにしたジョウン。
崖にやってきたエリン、王獣を発見。
OPテーマが流れた。
アサン、ジョウンのもとを再度訪れる。ジョウン、アサンと一緒に王都へは帰らないと告げ、カザルムのエサル教導師に手紙を届けてくれるようアサンに頼む。返事を待ってカザルムに向かってから家に戻るとアサンに言う。
カザルムに入るためには「入舎のためし」という試験がある。そのためにエリンに勉強を教えてくれたジョウン。

ジョウンは、自分の知っていることの全てを、一生懸命教えました。
それが、自分のもとから離れていくエリンへできる、最後の事だと思ったからです。