獣の奏者エリン

第14話 霧の民

タイトルテロップの前がなかった。
探索者ナソン、霧の知らせを受けて、霧の民の村に戻る。
霧の大長老様。
大長老は、民から民へと渡り、声を伝えるのが役目。旅の中でソヨンが死んだということを知った。
声を聞かせてという独特の言い方をする霧の民。
ソヨンが死んでから4年経ったことになっている。<その割りに容姿が変わらないナソン。
ナソン「あれはもう、4つ前の春になりましょう。リョザ神王国。王都のはるか東の国境では、闘蛇が戦いの道具として用いられております。我が伴侶となるはずであったソヨンは、その闘蛇を飼いならす闘蛇衆の村、アケ村に暮らしておりました。アケ村の頭領の息子、アッソンと結ばれ、エリンという娘をもうけ、アッソンが急死した後も、一人でエリンを育てていたのです。」<許婚だったらしいソヨンとナソン。
ナソン「エリンはソヨンによく似ており、聡明で、好奇心の非常に強い娘でした。エリンは、闘蛇の飼育に人一倍関心が強く、ソヨンは、エリンが我々霧の民の掟に触れぬように、注意深く見守っていたように思えました。」
ナソン「このまま、静かにあの村で骨を埋めるのであれば、それもよい。私は、そう思っておりました。ですが、あの夜…。闘蛇のとむらい笛が村中に響き渡った夜、あの親子の運命が変わってしまったのです。」
ナソン「私は、闘蛇の裁きの一部始終を見ておりました。沼に落とされたソヨンの傷より流れ出た、血のにおいに誘われた野生の闘蛇が、群れとなって集まってきたのです。私は霧の民です。世に背を向けて暮らす民である以上、そこへの過ぎた干渉はしてはならぬ掟。私は掟に従い、ソヨンが闘蛇に襲われる姿を見ることしかできなかったのです。しかし、幼いエリンは…。」
大長老「繁殖期の闘蛇にとって何が毒となるのか。それを語らず死んでいったのだろう。アオーロウの心は捨てていなかったのだな。」
ナソン「それが、ソヨンの最期となりました。」
大長老「…して、そのエリンという娘はどうなったのじゃ?」
ナソン「生きております。」
大長老「ほ〜う。エリンは生きていたか。」
ナソン「我が旅は、川を流れ、いずこかへと消えたソヨンの子、エリンを探すことより始まりました。私はラゴウの沼より川をさかのぼった闘蛇を探し、王都の東の端へとたどり着きました。」
エリンを追いかけて来ていたらしいモックとヌックが死んだ闘蛇を発見。それを見ていたナソン、この闘蛇の角に、血でにじんだ小さな手の跡があることに気づく。
さらに川をさかのぼるナソン。
ナソン「そこで私が見つけたものは、闘蛇の粘液と、大きな男のものであろう、足跡だけでした。ですが私は、その湖畔に、エリンが流れ着いたことを確信したのです。エリンを助けたのは、森の中でハチを飼って暮らしている、ジョウンという男でした。」
ナソン「エリンにとって、アケ村以外の世界は、新しいものばかりだったでしょう。全てが珍しく、そして、全てが事件だったでしょう。ジョウンという男が何者であるのか、詳しくは判りません。ですが、かなり学識のある男であることは間違いないようでした。」
ナソン「ハチ飼いは、季節の移り変わりとともに、その住居をも移します。ハチが花を追って山を登るように、ハチ飼い達も山を登るのです。エリンは、ジョウンとともにカショ山へと移り住みました。」<いつの間にかヌックとモックが着いてきてるのに何の説明もなし。ナソンにとってはヌックとモックはどうでもいいことのようだw
ナソン「そこでエリンは、野生の王獣と出会ってしまったのです。」<エリンが王獣を見た時にしっかり監視してたナソン
ナソン「私の推測ですが、エリンは王獣に魅かれているようでした。」
長老「だが、野生の王獣は闘蛇以上に警戒心が強いと聞く。エリンがそう思っていても、接触できるものではなかろう。」
大長老「いや、王都には、王獣を育てる所があると聞く。まだ油断はならぬ。エリンの行く末を見届けよ、ナソン。」
4年経ったせいでしわが少し増えたジョウン。
産気づいたトッチ。<牝馬だったんだ。というか、相手は誰?
背が高く成長しているエリン。
ナソン「私は霧となり、エリンがどこへ向かうのか見届けよう。それが掟に従うべき私の姿であり、あの時助けることのできなかった、ソヨンへの償いなのだ。」