獣の奏者エリン

第12話 白銀の羽

はるか太古の昔、アフォン・ノアの向こうから真王の祖がタハイ・アゼに降臨した時、背が高く金色の瞳を持った王祖ジェに、人々は清らかな神の姿を見たのでした。
それから何千もの昼と夜が繰り返された今日、兵を持たぬ王、真王の治める王都は、山向こうの領地を治める、闘蛇の軍を持つ、大公に守られていました。
闘蛇の村で育ったエリンは、ハチ飼いのジョウンと、新しい生活を始めました。
春の終わりを感じ始めた頃、ジョウンは、カショ山にある夏の小屋へ引越しすることをエリンに告げました。

空を飛ぶ何かの大きな影が。

今日は引越しの日。
エリン達は、夏の小屋を目指して山を登っています。

ヌックとモックも例によって付いてきた。
とんがり屋根の夏の小屋。
王都の王宮にいるセィミヤ。<言いにくい
ダミヤが。おじ様と呼ばれてる。<おじ様ラブラブ?
真王はダミヤにおば上様と呼ばれてる。
シュナンとヌガンの話の他に、カショ山で野生の王獣が巣作りを始めたという土産話をするダミヤ。
すばらしいことらしい。
巡視官をカショ山に向かわせて調査させている。
夏の小屋は真夏でも冷え込むので暖炉付き。
去年忘れていったジョウンのふんどしが無造作に置かれてあったw
箱の中に楽器がたくさん。
ドウナガムカデ。
また空を飛ぶ何かが。
煙突掃除するエリンたちの上を何かが横切った。
掃除を抜け出して森へ行くと言い出すエリン。その後を付いていくヌックとモック。
キラキラ光る木が気になるエリン。
巨大な足跡が。
恐怖で逃げ足だけは速いヌックとモック。
巨大な羽がエリンの前に落ちてきた。
羽を抱えて夏の小屋に戻るエリン。
夏の小屋に見知らぬ人が。「それは王獣の羽では?」エリン「どなたですか?」
ジョウンの知り合いのカロンだった。
エリンに、カロンのことを「俺の昔の…」と言いかけて、昔からの知り合いだと紹介するジョウン。
カロン「タムユアンで学んだ友人達も、みんなあなたに会いたがっていました。」
カロン、巡視官だった。カロンの友人は、巡視官になったり、役人になったり、教導師になったりしている。王獣がカショ山にいると聞いて真王のためにやってきた。
王獣を知らないエリンにびっくりするジョウン。
ジョウン「王獣はな、昔から聖なる獣としてこの国で祭られている生き物だ。お前が森で拾った羽は、野生の王獣のものだろう。」「オオカミのような顔つきをしていて、大きな翼とするどい爪を持つ。その名の通り、全ての生き物の頂点に君臨する、獣の王者だ。」
成長した王獣は、闘蛇の何倍もの大きさになる。
闘蛇よりも大きい獣がいたことにびっくりするエリン。
カロン「王獣の数が減れば、この国に災いが訪れると言われている。だから、数が減らないように、私のような巡視官が、王獣捕獲者とともに、野生の王獣のひなを捕まえて、保護場に連れて行くんだ。」
捕獲の時には獣笛を使うらしい。
カロン「王都の保護場では、王獣規範という掟に従って、たくさんの王獣が大切に飼われているんだ。」

エリンは、アケ村のことを思い出していました。
アケ村でも、闘蛇の数を減らさないように、年に一度、卵狩りを行っていたからです。

今夜は演奏会。
ジョウンと一緒にラザルの丘に登ったときのことを思い出すカロン。
イアルのことを思い出すエリン。
ジョウン、意外にも竪琴の演奏が上手い。「どうだ、うまいもんだろう?俺は弾くだけじゃなくて竪琴作りだってできるんだぞ。」
初めて竪琴を弾くのに上手く弾くエリン。ジョウン「お前、竪琴を弾けるのか?」エリン「いえ、これが初めてです。」カロン「初めて?」エリン「今の曲聞いてたら、すごくきれいな曲だったから、なんとなく弾いただけです。」
びっくりするジョウンとカロン。
カロン「一度聞いただけで曲を覚えてしまうとは、たいした音感ですよ。」
夜明けの鳥をハミングするエリン。
ジョウンが作った歌。
♪ハチ飼いのジョウンを知ってるかい?
 森の湖畔に住んでいる
 ハチもほれる色男
 だけど ちょっぴり おならが くさい
 ヘイホー ヘイホー ヘイヤッホイ
↑だれも竪琴を弾いてないのに伴奏が聞こえる不思議。
ようやく帰ってきたヌックとモック。
踊りだすヌックとモック。
♪ハチ飼いのジョウンを知ってるかい?
 ○○は ○○○ ○○○○○ < ヌックとモックの声に隠れて聴き取れなかったTT
 受けなくたって気にしない
 だけど ちょっぴり 笑って欲しい
 ヘイホー ヘイホー ヘイヤッホイ
ジョウンとカロンが酒でつぶれて寝ちゃったのでベランダで空を眺めるエリン。
月の前を横切る王獣らしき影が。

エリンは、自分の頭上を通り過ぎていく巨大な影を、ただ呆然と見送ることしかできませんでした。
しかしその影は、王獣という生き物の存在を、エリンの中に強く印象付けたのでした。