獣の奏者エリン

第6話 ソヨンのぬくもり

闘蛇の卵を孵化させる時期は、村の獣ノ医術師にとって最も忙しい季節でした。人間の手で野生の卵を孵すのは大変難しかったのです。

野生の闘蛇の卵を毎日転がしてあげないといけないし、温度と湿度を保ってあげないといけない。
エリン、寝相が悪いのは母親のおなかの中にいた頃かららしい。
そういえばソヨンは左手に腕輪をしてるのね。
闘蛇の岩屋で闘蛇の夜回りをするソヨンの横を羽虫が通り過ぎていくのが気になる。
エリン、ソヨンと添い寝。

村じゅうの眠りを覚ますように、甲高い音が響き渡りました。何か恐ろしいことが始まるのを知らせるような音でした。

闘蛇を見にいくソヨンの後をついていこうとするエリン。
闘蛇のとむらい笛。
エリンの横をさっきの羽虫が。
闘蛇が死んでいる。
闘蛇が興奮して泳ぎ回ると岩に肌をこすりつけて傷を作る。
闘蛇はワシュ(蛍みたいにお尻が光っている。蛆虫のようなもの?)にたかられて窒息することもある。その時はエラはきれいじゃなくなるらしい。
ハッソン「牙を全て死なせるなど、とてつもない大罪だぞ!」
ソヨン「覚悟しております。」
ハッソン「覚悟か…。ワシも覚悟しなければならんな。」
足が震えてるエリン。
ハッソンの父の代にも同じように牙が全て死んでしまったことがあった。
牙は他の闘蛇より病気に弱い。それはみんなが知っていること。
エリン「お母さん、闘蛇は死ぬとにおいが変わるの?それとも、病気になったからにおいが変わったの?」
においがいつもと違うことに気づいていたエリン。
エリン「ワシュはよく水の中にいるけど、あんな羽虫はここで見たことがないから…。花によって香りが違うから、寄ってくる虫も違うんでしょ?闘蛇のにおいが変わったから、こんな羽虫が寄ってきたんじゃないの?」
ソヨン「エリン…、お前は…。エリン、その思いつき、誰にも話してはダメよ。」エリン「どうして?」ソヨン「どうしても。」
ソヨン「鋭さはね、時に災いを呼ぶの。いつかお前にも解るわ。」
死んだ闘蛇に一礼をするソヨンとエリン。
ルルは無事だった。
やることがあるのでエリンにサジュの家で待っているように言うソヨン。
ハッソンが言った大罪という言葉が気に掛かるエリン。
サジュの祖母の漬物が食べたい。
死んだ闘蛇について、監察官が来て調べるらしい。ソヨンも頭領も厳しく取り調べられるらしい。ニヤニヤしているワダン。
なんで人形を二つ持つと男の子(チョク)はお互い闘わせるんだろうw
前に同じことがあった時、罪をかぶったのは牙の世話をしていた者だった。
ソヨンに落ち度がないと、ソヨンをかばうサジュの父と村人達。
村全体が罰を受け取り潰しにあう可能性もある。
エリンが集会を覗き見していたのがソヨンにばれた(^^;
音無し笛を火の中に投げ入れて、「もう、いらないのよ。」というソヨン。
ソヨン「お前は、闘蛇の世話をしたがってたけど、お母さんはね、もう笛を持たなくていいと思うと、ほっとしてる。」エリン「どうして?闘蛇の世話をするのがいやだったの?」ソヨン「いいえ。笛を使うのが…いやだったの。」「笛を鳴らした瞬間、硬直する闘蛇を見るのは、本当にいやだった。人間に操られるようになった獣は哀れだわ。どんどん弱くなっていくのを目の当たりにするのは、辛かった。」エリン「人に飼われると、闘蛇は弱くなるの?特滋水をあげて強くなるんじゃないの?」ソヨン「確かに、うろこは強くなって骨は丈夫になるけれど、弱くなる部分もあるの。」エリン「どこが?」ソヨン「お前なら、きっと自分で答えを見つけられるわ。野にいる闘蛇ならできることで、池に飼われた闘蛇にはできないこと…。」「でも、答えを見つけても話してはダメよ。他の闘蛇衆は知らないことだから。」
なんで女風呂のシーンがでてきたのかと思ったら、公衆浴場だったらしい。お風呂に入りに来ていたソヨンとエリン。
いつもしまい湯に入っていたソヨンとエリン。
ワダンがソヨンのことをアーリョといっていたので、しまい湯に入るのはソヨンがアーリョだからかと勘繰るエリン。
ソヨン「本当はアーリョというのではないのよ。」「アーは霧。リョは民。霧の民というのが、私達の印象と合っていたから、そう広まったんでしょうね。本当はね、アオーロウというのよ。」「アオーは戒め。ロウは守る者。」「昔起きた過ちを二度と繰り返さないようにという戒めよ。その戒めを、アオーロウは自分の命よりも、家族の命よりも、大切に守る一族なの。」
エリン「過ちって?」
ソヨン「人も獣も死に絶えるような、そういう過ち…。」「ずっとずっと、昔の話よ。お母さんの祖先はね、滅びの危機を二度と迎えることがないように、戒めを守ることを誓って、真王陛下にも、大公様にも仕えることなく、暮らすようになったの。でも、お母さんは、お父さんと出会って、この村で生きることにした。その時から、お母さんは、戒めを守る者、アオーロウではなくなったのよ。」
お母さんのお母さんからもらったという大切な腕輪をエリンにあげるソヨン。ソヨン「エリンが大きくなったら、あげようと思ってたの。」
腕輪が大きいので、後で胸に下げられるようにするというソヨン。
夕飯はお祭りでもお祝い事でもないのにシシ肉。
ラコスの葉にシシ肉を置いて、その上にラコスの果肉を乗せる。
音無し笛を下げていた紐を腕輪に通すソヨン。
エリンと添い寝するソヨン。
エリン「お母さん?」「私、どんなにおい?」ソヨン「そうね…、お日様のにおい。」「あなたのお父さんもね、笑うとお日様みたいな人だったわ。」
ワダンに連れられて監察官がソヨンの家に。
ソヨンが監察官に連れていかれたのに気が付いて、ソヨンの後を追おうとするエリン。ワダンに止められる。ソヨンは後ろ手で縛られている。腕輪は家に置き去り。