精霊の守り人

第二十一話 ジグロ・ムサ

バルサ「カンバルはヨゴとは違って豊かな実りをもたらす田畑は無い。あるのは険しい山と岩だらけの牧草地帯。人々は痩せた土地を耕し、わずかばかりの穀類や芋を作り、カンバルヤギを放牧して暮らしていた。」
バルサの父、カルナ・ヨンサは王室つきの医者だった。母は5つの時に亡くなった。
カンバル王の主治医だったバルサの父は、王位を狙う王の弟ログサムに王を毒殺するよう命じられていた。断れば娘を殺すと脅かされていた。
バルサこの頃は(?)かわいかったのになぁ(^^;;
宮中においてただ一人、心を許せる友が居たバルサの父。それがジグロ。ジグロは、王の槍と呼ばれ、王に仕える九人の武人のうちの一人だった。王の槍というのは、カンバルにある九つの種族領の筆頭によって組織される、精鋭の単槍使いのこと。ジグロは最年少で王の槍に選ばれた、カンバル最強とうたわれる英雄だった。
バルサの父、ジグロに意を決してログサムの計画を打ち明ける。
バルサの父、ジグロに、バルサを連れて逃げてくれるよう頼む。
ジグロ、頼みを断る。それを引き受けることは、地位や名誉を失うばかりでなく身の破滅を意味する。
宮の兵士がやってきて、バルサを捕まえようとしたところを、ジグロが助けに来る。
ジグロ、バルサの手を引きカンバルを後にする。
残されたバルサの靴を手に「ジグロ、すまない…」と涙を流すバルサの父。
ジグロが来ていなかったらおそらくバルサは確実に殺されていた。
カンバル国境の長い洞窟を一日かけて抜けて新ヨゴ王国へ。
ひどく疲れていたはずなのに一睡もできなかったバルサ。
ジグロ、追っ手がやってくることを警戒していた。
逃亡を始めて5日後に最初の追っ手がやってきた。現れたのは王の槍の一人だった。
バルサの目の前で追っ手を退けるジグロ。「すまん、二度とカンバルには戻れん俺だ。故郷の土に返してやることはできない。」
ジグロの折れた槍の穂先を新調するためにヨゴの町に入る。
バルサが先日槍を直しに行った刀鍛冶のところへ。初めは頑として首を縦に振らなかった。
狩穴の外は雪に。
子供の時のバルサの声が若い(^^;;
耳無し、口無しの近い。妻子を人質に取られたタグという追っ手が。
タグと戦って倒すジグロ。
タグ「お前にも…守るべきものが…できたか…」
タグを倒して涙を流すジグロ。タグは王の槍の中でも特にジグロと親しい友人だった。
ヨゴの町で、カンバルから出稼ぎに来ていた男から、バルサの父が殺されたという話を聞く。カンバルを出てから初めて泣くバルサ。
ジグロ、バルサに事情を話す。
いつか、必ずログサムに復讐するという思いがその時に心に芽生えた。ジグロに武術を教えてくれと頼むバルサ。ジグロ、首を縦に振らなかった。
ジグロ「だめだ。武術は男のものだ。どんなに頑張ってみても、女の筋肉ではたいしたことはできない。それに、なによりお前は子供だ。」
あきらめきれずに、事ある毎にジグロの稽古を盗み見してなんとか単槍の使い方を学ぼうとした。
ジグロが隊商の護衛をすることに。三つ利益が。一つは、ジグロの武術の腕を生かして生計を立てられた。二つ目は、ジグロの実戦を、絶えず目の当たりに出来た。三つ目は、バルサ達を追っているもの達の情報をいち早く得られた。
バルサ、調子に乗って槍使いのパフォーマンスを披露して、ジグロに殴られる。ジグロ「二度とやるんじゃない。解ったな。」
しばらくして、ジグロが武術を教えてくれるようになった。バルサには武術の才能があったらしい。ジグロの戦い方をほとんどそのまま暗記していた。
ジグロ「単槍は体に合わせて作らない。体を単槍に合わせるんだ。」
ジグロ、いつの間にかトロガイ師と知り合いに。
トロガイ師「どういう風の吹き回しだい?その娘には、血まみれの人生を歩ませたくなかったんじゃないのかい?」ジグロ「確かに武術を知る者は、それを極めれば極めるほど、戦う相手を吸い寄せてしまう。でも、この先こいつが生きていかれる道は、残念ながらこれしかない。」
この頃のトロガイ師の頭の上の生き物(調べたら、ウサネズミというらしい)が子供の姿でたくさん。
タンダが子供だ(^^;;
10年近く、王の槍の追跡をやり過ごした。
行動範囲を調べられ待ち伏せされ、6人の王の槍と戦うことになってしまったジグロ。
ジグロ、バルサの手を無益な殺し合いで汚させまいとそう決めていた。