精霊の守り人

第十三話 人でなく虎でなく

バルサが生きていることに気づかれた。
手紙をもらう。
手紙の文言から見て話して判る相手とは思えない。
3年前、人買いから依頼人を救い出した時に敵側に居た用心棒で、商売敵。
トロガイ師が戻るまでは水車小屋で暮らしたい。
バルサが行かなければ宮にばらすと手紙に書いてある。
カルボ、ヨゴ刀は捨てた。
バルサを斬ることだけを考えていた。
チャグムにも気づいていた。
その日一番に関門を通る人間を一日一人ずつ斬っていく宣言。
つぶてもの。
峠に向かう先生と馬方の後を付けていく。
用心棒といえど武人は武人。
ヨゴに、虎になった武人の話が伝わっている。生涯、剣の腕を上げることだけに費やした武人の群話で、その武人は強さにこだわるあまり、虎のようになりたいと思い、虎の毛皮をまとって戦いを続けていた。そのかいあって、その武人はやがてどこにも敵がいなくなった。けれど、ある時自分が本当の虎になっていることに気づいた。そして言葉もなくしてしまった武人は、最後は家族も友人も失い、一人さびしく竹林の中で生涯を送った。
殺気立っているのに気づかれていたバルサ。
つぶてもののせいで一睡もできなかったバルサ。
馬方、バルサに危険を感じて馬を走らせるも馬が転倒。
馬方に、斬り合いがいやなら自分が斬られろ、そんなことに他人様を巻き込むんじゃねぇ、と言われる。
バルサ、先生と馬方を逃がす。
つぶてもの、馬方にやられるw
先生、バルサを虎にさせてはならないと引き返す。
ちっぽけな男だといわれて動揺するカルボ。
バルサが虎に見える先生。
バルサがカルボを斬ったように見えた。
バルサの名前を忘れてしまったカルボ。